2015年10月16日金曜日

二兎を追う春希

第二音楽室のピアノの音を確認した春希は「出待ちという当たり前のアプローチではOKしてくれない」という謎の理論を構築し、哀れにも腹にロープを巻いて窓から突入するというアホな挑戦をする。
ちなみにアニメでは柔道部の黒帯を借りる描写に変わっている。(どうでもいい)

足を滑らせて窓の下のアレに手を掛け見上げると第二音楽室の"彼"ではなく"彼女"、冬馬かずさが現れる。
ちなみにアニメではすんでのところでかずさが春希の手を掴み、「ピアニストの手をこんなことに使わせるな」と言い放つ動きのある描写に変わっている。

ここから過去の回想に入る。春希とかずさの出会いの部分だ。
いつもどおりおせっかいを焼く春希、かずさは「触るな」と何度も言う。
これは物理的な触るなではなく、「自分の中に入ってくるな。自分の心に近づこうとするな。」
という意図のものだった。

春希チャレンジの件で怒られる春希とかずさ
なぜかかずさも怒られるのは諏訪先生お馴染みなのはいいとして
ここで春希は

・かずさが去年まで音楽科にいたこと
・かずさの母親は有名なピアニストで学園に大口の寄付をしている

ということを知ることになる。
特に二番目は春希が知らずにかずさに近づいたことで自分だけを見てくれていると思った部分なので知らなかったことは重要事項で今回でネタばらしになったというわけだ。

ここで雪菜登場、いきなり春希の手を握り怪我はなかったかと上目遣いで聞く、かずさの前で。あざとい。

調子の乗った春希は雪菜にキーボード担当としてかずさを紹介する。
「ふざけるなこの馬鹿!」と叩かれるわけだが、

普通に冬馬の方に手を置いて、
普通に冬馬にゲンコツで殴られる、
半年後の今って時を、普通に嬉しく感じてた。

もう、『さわるな』なんて言われない、今を。

という春希のモノローグ、この辺を読者の読解力に任せず、しっかり文章化してくれる丸戸はやっぱり良いエロゲライターだと思う。
普通の文学だったら読み解いていくところかもしれないが、エロゲをやるのは文章読解能力が高い層ではなくただのオタクなので非常に助かる。

ということでかずさとの距離が縮まったことを実感する春希であった。

場面が変わって流れるのは
ベートーヴェンピアノソナタ第23番 激情
春希と雪菜のやり取りを見た嫉妬の怒りの感情が現れているように思える選曲

かずさの勧誘に失敗した春希は武也と屋上で話をする。
武也からかずさが1,2年まで音楽科にいてクラスメイトと上手くやっていけず、
学校をサボり続け普通科にやってきたことを知る。
そんな人と上手くやっていけないというかずさの性格をしった後でも春希は諦めない。

絶対に諦めない。
だって、俺にはどうしても、二人とも必要なんだ。
どっちも大事なんだよ

直後に武也に二股だと指摘されているが、実際その通り
でもこの時春希は純粋に二人の女の子を必要としている。
しかし、その二人への思いは恋と友情と違ったものになっている。

ツンツン春希

雪菜に軽音楽同会に入ってもらったものの、実はベースもドラムもキーボードもいない現実に直面する春希

第二音楽室の主は音楽科の主席だと思っている春希は音楽科教室に乗り込むのだ。
なぜか音楽科の人間がピアノを弾いているわけではないらしい……
一体誰なんだ!ピアノを弾いていたのは!!!(棒読み)

お隣が向こうから話しかけてくるなんて、
月に一度あるかないかってのに、
そんな千載一遇の機会を自分からドブに捨ててどうする。

というモノローグ、もうここから春希の気持ちはだいたい察しがつくようになっている。

同好会のメンバー不足を指摘される春希は俺には最終兵器がいると豪語するも
かずさにそれが何か聞かれると「どうでもいいだろ」と突っぱねてしまう。
男がツンツンしても何もおいしくないぞ、春希
むしろこういうスレ違いがあるからこそ後々面白くなるわけだが……

このままツンツンモードで追い返してしまう春希
小学生のガキ並の残念な恋愛経験しか保たないであろう春希くんは本命の女のことは上手くコミュニケーションを取れないのだ。
でも雪菜とは仲良くおしゃべりできるのだ。
だからああなるのだ……

教室でうとうとと寝てしまった春希
起きると第二音楽室からピアノの音
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番第一楽章
ちなみにアニメではベートーヴェンの告別に差し替わっているらしい。

第二音楽室のピアノの音に気づいた春希は急いで音の鳴る方へ向かうが、
音楽室の主とは行き違いになってしまう……

次こそは会える、会ってみせると強い意気込みを持って続いていく